1829年初頭に、鎮痛効果があるとして民間療法で用いられていたヤナギの樹皮から初めてサリチル酸が分離された。非ステロイド性抗炎症薬は、意識抑制、呼吸抑制、依存などの容認できない副作用があるにもかかわらず、少量で鎮痛効果、大量投与で抗炎症効果がある薬物として重要なものとなった。以前は処方箋が必要であったが、現在では、イブプロフェンなどは薬局で販売される様になっている。古くはリウマチなどの重篤な疾患にのみ処方されていたが、スポーツや事故による怪我の鎮痛、腰痛や手術後の鎮痛にも処方される様になって久しい。癌や、冠動脈疾患など他の適応についての研究も続けられている。
一般医を受診する患者の25%は変形性関節症で、その半数から全ての例がNSAIDsを処方される。65歳以上の人口の80%にX線上有意な変形性関節症が存在するとされており、そのうち60%が疼痛などの症状を訴える。2001年には、アメリカでは7千万錠のNSAIDsが処方され、300億錠が薬局で販売された。
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このように大量に消費されると、副作用も多く出現する。最も多いのは胃腸炎である、軽い胃部不快感から、治療に長期間を要する、重篤な出血を伴う潰瘍までが起こりうる。また、他の副作用としては骨折の治癒を阻害する、心血管系では血小板機能を阻害し出血を止まり難くする、また、腎機能障害や、腎のプロスタグランジンを阻害し、血圧調整機能を障害する。以上の理由で、慢性心疾患、腎機能障害、血圧異常の患者にNSAIDsは慎重に使用する必要がある。NSAIDsは、身体の障害によって産生されるプロスタグランジンの合成を阻害する事により効果を発揮するが、プロスタグランジンは、炎症と疼痛をもたらすだけではなく、胃内膜などの再生に関わるなど、必要な役割もある。
NSAIDsの胃腸障害作用は用量依存性であり、多くの場合致命的となる胃穿孔や、上部消化管出血を起こす。概ねNSAIDsを処方された患者の10?20%に消化器症状が現れ、アメリカでは年間に10万人以上が入院し、1万6千500人が死亡している。また、薬剤が原因の救急患者の43%をNSAIDsが占めている。このような事の多くは、本当は避けられたとする研究結果もある。ある研究によると、NSAIDsを処方された患者の42%は、実際は不必要な処方であった